食を取る事は動物にとって生命維持のために必須の行動であり、ヒトを含む殆どの(あるいは恐らく全ての)動物においては、報酬系を介して快感をもたらし、他事より優先して行動するようプログラムされている。食事を取る事による充足感、また美味しい物を食べる事による喜びは、精神衛生上好ましい影響を与え、多くの人に普遍的に存在する享楽の様式でもある。
食通ではこれを至上のものとして捉え、より美味な物を飽く無き探究心で追求し、時に芸術として賞味し、またはその追求に情熱を傾ける。またこれらの人々は味を感じる器官である舌、すなわち味覚を鍛錬しフィードバックする事により料理人により良い料理を追求する意欲を掻き立たせ、より洗練された調理様式の開発を促す存在でもある。
食通の活動はそもそもは個人的な営みであるのだが時に文筆を通じ、近年はテレビ出演等により一般人を啓発することも稀ではない。これら食通の活動により、一般に知られていなかった珍味が広く知られる所となる事も多い。
また社会の富裕化に伴い、一般人が常食の範囲を超えレストラン巡りなど美食を追求する風潮のことをグルメブームと呼び、日本ではバブル景気の頃顕在化しだした。そういった風潮の結果、グルメ雑誌やグルメ番組、料理番組等が増加し、かつての食通の役割の一部を担うフードライターや食評論家といったそれを専門とする職業も現れてきている。
更には食に絡む社会問題に対して警鐘を鳴らし、大衆を啓発するインテリのような立場を取る事もある。これらにおいては環境破壊や乱獲・食糧生産方法や消費方法といった多岐に渡り、食という生物にとって基本的な活動を見直すよう求める声も聞かれる(→スローフード)。
ただ、巷で美食家と言われる中には高級な食材だけを好み、いかに美味くても質素な料理やB級グルメなどの値段が安い物には見向きもしない、言わば「美食の価値を値段や希少性にしか見い出せない」者も少なからず存在する。




